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ケーススタディ

プラウド松濤

大規模建築におけるデザイン・マネージメント。土地柄に相応しい上質な住空間の提案。

私たちは、集合住宅開発や大規模プロジェクトにおけるデザイン・マネージメントにも積極的に参画します。
そこにおける私たちの強みは、基本設計だけではなく、実施設計、施工までトータルに目が行き届くこと。とくに考え抜かれたマスタープランを具現化するために不可欠な仕上げ職人のネットワークは、建物に鮮やかな命を吹き込むとともに、時と共に味わいを増す建築を生み出すために欠かせません。
細かいディテールやテクスチュアまで具現化できる人と技を押さえているからこそ、私たちが標榜する“骨太な骨格”と“心やさしいディテール”を当初の意図通りに実現でき、最終的にできあがる建築の質を上げることができると考えています。

『プラウド松濤』においては、松濤という特殊な土地柄ならではの歴史性・文化性を建物に吹き込むことを目的に、次のような作業を通じてデザイン・マネージメントを行いました。

Process

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Phase1

基本設計

●マスタープランの作成

デザイン・マネージメントの根幹を成す段階です。クライアントからのヒアリングをもとに、デザインコンセプトづくりを行います。
その際に重要なのは、地域性やブランド性などを考えながらボリューム出し図面を別角度から見直すこと。施工会社設計部も交えて動線計画、住戸配置を提案し、ブレストを繰り返す中で着地点を見いだしていきます。

主な具体的作業:
  • クライアントから設計条件、顧客イメージをヒアリングし、「ファサードデザイン」「共用部デザイン」「ランドスケープデザイン」を中心にデザイン・マネージメントを進めることを確認。
  • ボリューム出し図面を別角度から検討し、コンセプトペーパーを提示。松濤の持つブランド力を生かし、機能性や耐久性、居住性能を超越した美しい空間づくり、素材感を大切にした五感に訴えるデザインを目指すこととした。
  • 1・2を踏まえてマスタープランを提案する。
  • マスタープランを施工会社設計部に提示し、細かな法規チェック、構造、設備、施工計画やコストスタディを繰り返すことで、より実効性の高い計画案を練り上げる。
  • 具体的な仕上げ材の選定、造園計画、色彩計画などを提示し、販売部門からの意見を取り入れながらパースによるスタディを行う。
  • 概算見積りを行い、実施設計に移行できるかどうかを判断。
  • 以上の段階を経て、3つの方針を決定。
  • ファサードデザイン:松濤らしい風格を出すために特殊なせっ器質タイルを採用するとともに、周辺環境からプライバシーを重視した生活を確保するために開口部が小さめで壁がちなファサードとする。
  • 共有部のデザイン:特殊な条件のもとで半地下にせざるを得なかったエントランスロビーを魅力的につくり込むために水盤を設え、そこにトップライトやタイルブロックの透かし積みを柱にカヴァーした照明器具を導入するなど、光と影のデザインを試みる。
  • ランドスケープ:安心感が感じられるように石塀を採用したが、外に対する表情としては固すぎるので、そこにスリットをデザインし塀内外の緑がにじみ出るようにする。

Phase2

実施設計

●詳細部分の検討、チェック

施工会社設計部が図面を作成する過程で浮上してくる数々の問題点をマスタープランに基づいて解決し、結論を出していきます。
また、外壁タイルや石塀、照明柱のディテール、樹種の選定など、ポイントとなる素材や仕上げ方法の具体的な提案を行い、工事費算出をするための条件設定を行います。

主な具体的作業:
  • 開口部廻り、手摺、タイルブロック透かし積み照明柱、水景、フェンス、石積み塀などの詳細部分の検討を行う。
  • エントランスロビー廻りの展開図、断面詳細図、外構詳細図、植栽図などをチェックし、当初のコンセプト、デザインイメージとの整合性を確認する。
  • 構造・設備設計との擦り合わせ、納まり上の問題点など、より細かな部分の検討、図面チェックを行う。

Phase3

施工

●施工図、サンプルの検討チェック

色合い、テクスチュアを含めた最終の決定段階です。メンテナンス方法も含めて施工図をもとに職人たちの知恵を借りながら最終承認を行います。手摺りのディテール、照明の配置、サインの配置など、細々とした部分が中心となりますが、この段階も私たちは大切であると考えています。人々に長く愛され続ける建物とするためには、施工の最終段階まで見届けることが重要です。

主な具体的作業:
  • 工事の進行に合わせ、外壁タイルの最終確認、仕上材サンプルや色彩の確認などを行う。
  • タイルブロック透かし積みの具体的な施工方法の検討を行う。
  • デザインに対する施工、メンテナンス上の問題点などを抽出し、最終調整を行う。

デベロッパー担当者のコメント

沖村秀雄野村不動産株式会社
住宅カンパニー住宅建築部 建築課 担当課長

デザイン的側面から事業計画をフォローする良きパートナー

現在の集合住宅のつくられ方は、商品開発的な側面を重視しつつあります。
しかし、事業性主体の発想だけではお客さまの心に響く商品を生み出しにくいこともまた事実です。そこで編み出されたのがデザイン・マネージメントという設計手法なわけですが、これは事業性から導き出された方向性に、お客さまの快適さ、街並みとの調和、現在の社会状況に即した新しい提案など、建築家ならではの発想によって別角度から光を当てることで、デザイン、機能、コストを高次元で融合した真に魅力的な商品を開発しようというものです。
今回の提案は、私たちのそうした期待に見事に応えてくれるものとなりました。松濤という土地のコンテクストと私たちの事業意図を丁寧に読み取って、それを具体的な建築に落とし込んでいく力。さまざまな制約の中で明確な方向性と説得力のあるデザインコンセプトを提示していただくことで、最終的にできあがった商品を訴求していくポイントが明確になったことは言うまでもありません。
集合住宅は各段階ごとにさまざまな人々が関わり合いながらつくりあげていくもの。それぞれの段階を横断する、決してぶれることのない明快なマスタープランを持つことは、魅力的な商品を提供していくために不可欠なものだと思っています。

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撮影:Forward Stroke

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